2018.8.12 奥黒部ヒュッテから読売新道を登って三俣山荘まで(縦走2日目)

2018年8月11日から13日まで2泊3日の北アルプス縦走の記録です。今回は2日目です。

8月11日 黒部ダム→奥黒部ヒュッテ(前回の記事)

8月12日 奥黒部ヒュッテ→読売新道→赤牛岳→水晶岳→鷲羽岳→三俣山荘(今回の記事)

8月13日 三俣山荘→双六山荘→西鎌尾根→槍ヶ岳→槍沢→横尾


縦走2日目、今回の登山の核心部と言える読売新道を登ります。その後、赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳を経由して三俣山荘でテント泊となります。北アルプスのど真ん中を北から南に横断するようなルートですね。

奥黒部ヒュッテから赤牛岳までの読売新道のコースタイムは7時間。赤牛岳から水晶岳が2時間50分。

水晶岳から鷲羽岳までが2時間20分。鷲羽岳から三俣山荘が1時間。

合計で13時間10分(鷲羽岳に行かず、黒部源流を経由した場合でも短縮出来るのは1時間くらい)。今回の縦走を計画した一ヶ月前から「本当に三俣まで行けるのかこれ?」と不安だったのですが、ここまで来たら行くしかない。


当日は午前1時30分ころ起床。午前3時に出発しました。奥黒部ヒュッテからテント担いで三俣山荘まで行くなら「午前3時出発」は遅いかもしれません。

ちなみに、三俣山荘に到着したのが午後4時です。北アルプスで「午後4時にテン場に到着〜」は、不安定になりやすい午後の天気を考えると遅すぎますよね。

テント泊装備で約12時間コースタイムを上回りながら歩ける人でないなら、もっと早く出発したほうがいいと思います。もし、僕がもう一度読売新道を歩くなら、午前1時30分に出発すると思います。

水は5リットル用意しました。飲料用は4リットル、残り1リットルは遭難などの緊急事態用に残してあるものです。奥黒部ヒュッテを出ると、次の水場は約10時間先の水晶小屋まで無いので、たくさん持っていきました。

当日、稜線の上はガスが出て風もそこそこ吹いて涼しかったので、水晶小屋で水を補給すること無く、三俣山荘まで約3リットルの消費で辿り着きました。

以上、出発時間と水についての情報でした。参考にされば幸いです(ならないと思うけど)。


午前3時、奥黒部ヒュッテを出発。ついに読売新道に突入しました。8つに区切った標識がありますので、どこまで登ったのかわかりやすいです。

読売新道は地味な道で足場は決して良いとは言えません。木の根に覆われた道を上ったり時々下りたり、岩がゴロゴロした狭い道を歩いたり、正直面白くないです。

夜中はいいけど、日が出てくると大量の蚊が湧いてきてゆっくり休憩も出来ませんでした。

4/8を越えると展望が開けてきます。これは裏銀座かな。

赤牛岳の山頂はガスの中で見えない。

歩いてきた道を振り返る。山頂が近づくとガレ場が出てきます。

奥に黒部湖が見える。あそこから登ってきたとかマジ?

8時45分頃、ガスガスの赤牛岳登頂。標識が地味ですなぁ。

読売新道は5時間45分で走破したことになります。いいペースなんですが、ここからどんどん足取りが重くなります。

山頂で10分程休憩すると南西の雲ノ平方面が見えました。のんびりしている時間は無いので9時に出発します。

温泉沢ノ頭まではゆるやかな快適縦走路…のはずですが少しの登りでも苦しい。ハンガーノックを疑って行動食を多めに食べてみたけど変化無し。単に足の疲労みたい…推定16〜17キロのザックを背負っているから仕方が無い。絶景のはずなのにほとんど何も見えないことも、足取りの重さに拍車をかける。

温泉沢ノ頭を越えて水晶岳への登りが始まると岩がゴロゴロ出てきて起伏が激しくなりました。このあたりで体力が一気に減った気がします。

息を切らしながら岩場を歩いていると、いつのまにか水晶岳の山頂に到着していました。コブが多くてピークが解りにくい山でした。

ガスで何も見えないし、立ち止まると少し寒いのですぐに出発しました。赤牛〜水晶は抜群の展望だと思うのですが、あいにくのガスで結局ほとんど何も見ることが出来ませんでした。無念。

午後1時、水晶小屋に到着しました。ここから一気に登山者が増えました。裏銀座も大人気です。

ワリモ北分岐。裏銀座と雲ノ平の分岐点なので休憩中の登山者もたくさんいました。

最短で三俣山荘へ行くなら「岩苔乗越経由、三俣山荘」のルートを取りますが、あえて鷲羽岳へ向かいます。

ワリモ岳。ガスが取れてきました。

鷲羽岳が見えました。これが今日最後の登り…写真を撮った位置から鷲羽岳の山頂まで標高差100メートルくらいだと思いますけど、疲れきった体で見上げると天高くそびえ立っているように見えました。

午後3時。鷲羽岳山頂。もうヘトヘトです。

三俣山荘とテントサイトが見えました。サイトはかなり埋まっていて、今から急いでもまともな場所は残っていないだろうと思い、山頂でゆっくり休憩。

午後4時。大盛況の三俣山荘に到着。奥黒部ヒュッテを出発して13時間。何とかコースタイムと同じ時間で歩くことが出来ました。

テン場も大盛況、隙あらばテント。サイトを探していたら鷲羽岳がバッチリ見えました。

今年は天気が不安定なせいもあるのか、ツェルトやシェルターを張っている人は少なかったような気がします。昨年の蝶ヶ岳、一昨年の双六のテン場にはツェルトを張っている人がもっといたような記憶があります。

これ以上良い場所が無かった。自立式の1人用テントがギリギリ収まりそうで収まらない大きさ。

無理矢理にでも設営しました。立っているのが不思議なくらい不安定…。草の周りは空洞なので、寝るのに苦労しました。

黒い雲が出てきて、日が暮れると同時に雷雨に見舞われました。テントが潰れるかと思いましたが、何とか持ちこたえてくれました。

次回に続きます。

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